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執筆者の写真David Thayne

aとtheって、どう違うの? その2「the」

【theはどういうもの?】

An American in Parisで「パリの(ある)アメリカ人」という意味になりますが、これが The American in Paris だと、まったく違う意味になります。

強いて訳せば「パリの(あの、誰もがわかる)アメリカ人」というイメージです。

the は「『その』と前後関係から特定できるもの」と習ったと思います。しかしこれも、個人的には「改めて説明しなくても、わかりきっていることをまとめるためにthe を使う」と考えています。

たとえば「月」は the moon ですが、これも「太陽系で 5番目に大きい地球唯一の衛星である、月」なんて説明を言わずとも、the をつけることで「(万国共通のあの)月」と、世界中の人がわかるのです。

Look at the bird. と言えば「(あなたにも見えているであろう、あそこを飛んでいる)その鳥を見て」と、これまた長々と説明しなくてもわかることを the の1語でまとめたことになります。

では、そんなことを頭に入れて、次の英文を日本語にするとどうなるでしょうか?


① I need to go to a bank.

② I need to go to the bank.


不定冠詞の a は「どれでもいいものの1つ」ですから「どこでもいい銀行」に。

定冠詞の the は「わかりきっていることをまとめるための the」ですから、「いつも行っているあの銀行」とか「うちの会社の口座がある例の銀行」とか、話者同士がお互いに特定できる銀行になります。

そのため答えは以下のようになるでしょう。


①  (どこでもいいから)銀行に行かないと。

②  (いつも行っている)あの銀行に行かないと。






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